2015年3月30日月曜日

格安SIMをメインで使いたいならSIMフリー端末しか使っちゃダメ

 格安SIM用のデバイス(端末)をいろいろ考えているうちに、結局はSIMフリーでないとダメなんじゃないかということに気がついた。5月からSIMロック解除の義務化がされるが、どうもピンとこない。docomo側の話だと、海外でスマホを使用する場合に、SIMロック解除を必要としているdocomoユーザーが多くいらっしゃるということを聞いたことがある。そうなると「格安SIM」と呼ばれているMVNO通信サービスとは、あまり関係ないような気がする。
 筆者は、スマホのテザリング機能をメインで使うことがあるので、格安SIMではテザリング機能が使えないdocomo端末は、この点に関しては眼中にないデバイスになる。テザリング機能に障壁がないKDDI au 4G LTE網の「mineo」と契約しているのはその為で、docomo網のOCNモバイルONEは早々に解約するつもりだった。いまだに引張っているのはサービス内容がどんどん充実しているからに他ならない。すでに、通信サービスにおいては「mineo」を抜いている。一方、「mineo」では、使える端末の供給不足が慢性化していて、他でも同じだがau端末に依存しすぎだ。たしかに、テザリング機能は使えるが、キャリアサービス用アプリの無駄なメモリの消費により、空きメモリ不足による動作不安定化、アプリ使用に制約が発生しやすく、バッテリーも無駄に消費している。ユーザにとって何一つメリットがない状態で、月額料金だけは安いという考えてみれば、ひどい状況なのである。これは、docomo網の格安SIMでは、docomo端末でテザリングができないという機能制限まであるわけで、より一層過酷な制限下でデータ通信をしていることになる。こうした制約や制限から解放されるのには、まずはSIMフリーのデバイスを使うことからはじめないといけないわけだ。
 SIMフリーといっても、そもそもスマホは、キャリア製品しかなかったわけで、それ以外は他人名義の中古品を使わないといけないという状況が続いていた。それは確かに某国製のSIMフリースマホは存在したが、電源まわりが全然で、バッテリーもすぐ劣化し、電源ケーブルをつないでいないと使えないというところまで落ちるケースも散見されていた。キャリア製スマホは、一応データ通信はできるというものだったが、セルスタンバイ問題やアンテナピクト問題など、一般の人が利用できるものではなかったのが現状で、それはなぜなのか考えてみれば、格安SIM用のデバイスがなかったからに他ならないのだ。
 docomo端末のテザリング機能が格安SIMで使えないという話だが、これはspモードを利用してテザリングを行う独自仕様によるもので、自動でAPNを変更してしてしまう為、他社扱いの格安SIMでは、テザリング機能が使えないというわけだ。docomoのAPNに自動で変更しまうと、それ以外のAPNで、データ通信ができなくなってしまうわけで、5月にSIMロック解除が義務化されても、それとは関係のないAPNの独自仕様なので、5月以降もdocomo端末では、テザリング機能が使えないというのが大方の予想だと思える。ここは、総務省とのやりとりの中で見えてくると思うので、冷静に見守りたいところではある。
 さて、そんな中SIMフリーでは何がいいかといえば、「格安SIM」といっても国内の話であって、市場規模が世界と比べると小さいので、これといったSIMフリーデバイスが国内市場に投入されないのと、いままでキャリアの端末割引を前面にだした料金体系の影響もあって、価格の高いデバイス(スマホやタブレットなど)を購入することに抵抗を感じるユーザが多いこともあって、キャリア以外では、スマホは売れないのである。そんな市場で、スマホ単体で商売はしたくないメーカーが続出しても当然のことと言える。したがって、いままでよりかは販売台数が多いというような話はでるけれども、絶対数がないので、小さくて旨味のないパイには、関心の持てないメーカーは他で儲けますというスタンスのままだと思える。キャリア料金のからくりにユーザの理解がないと、スマホは適正価格で売れることはまずないのである。
 いまはこのデバイス不足の穴を音声通話対応ということで、誤魔化しながらユーザ拡大をしようとしているのが現状で、月々の利用料金をおさえられるのだが、その以外でユーザの背負う負担は大きいといわざるおえない。もっと、気楽に通信サービスを利用したいのがユーザ大半の本音なのである。だいたい、格安SIMへの動作確認済み機種一覧とかで、細かくチェックする時間や手間とか、非生産的な過ごし方を強いられているわけで、本当にバカバカしいことなのである。こういったことを解消するには、格安SIM用のSIMフリーデバイスが発売されることに期待するしかないわけだのだが、国内市場のニースにあったものはいまだでてきていないと思う。