2014年7月19日土曜日

ブックリーダー 電子書籍の課題

 電子書籍がパッとしないのは、読書好きからみると紙媒体と差異がありすぎるところにある。紙は光の反射で見ているが、液晶は発光体で落ち着いて読書を楽しめないという致命的ともいえる欠点があって、これはモノクロ液晶でしか解決しそうにない。
 しかも、古本好きからすると古本特有の臭いがしないところが物足りないと言えば物足りない。年代というのは結構大切で、昭和初期のものを電子書籍で読んでも味がでないというか、なんどよそれっということになりかねない。古本の臭いというのも時代を推し量る手がかりになるのだ。
 あとは、ページを捲る動作にある一種儀式にも近い意味合いが電子書籍にはないことが、電子書籍というものが普及しない要因になっているかもしれない。そもそも、本を買っててきて読むという一連の行動と、読みたい電子書籍をダウンロードして読むのとでは質がかなり違ってくるし、電子書籍の場合、発光する液晶モニタを長時間眺めるのは負担が大きすぎるという欠点がある。
 これらのことを解決するのか、もしくは電子書籍ならではの長所をもっと前面に出して売るのか、どちらにしても電子書籍には、まだまだ課題がありそうな感じである。