2015年11月25日水曜日

格安SIMの速度チェックは、あまり意味がない

 よく格安SIMの速度比較とかをアピールしたコンテンツがありますが、格安SIMの仕組みを知っていれば、それがあまり意味がないことがわかります。一般に、格安SIMと言われているMVNOは、携帯電話キャリアから回線を借り受けて、ユーザーに通信サービスを提供しているのですが、借り受けるのには、ある単位ごとに借ります。道路に例えると、片道1車線分なのか、それとも2車線分を借りるのかは、それぞれの格安SIMごとで異なりますので、片道1車線分では交通量が少し増した、つまり通信利用者が少し増えただけで渋滞してしまいデータ通信速度も、すぐに落ちてしまいます。
 こうした状況下で速度チェックをしても、一過性の高いスピード測定結果であって、時間帯別に数回の速度チェック(試行)をして平均値を出さないことには意味がないですし、スマホを使った速度測定がどこまで正確なのかも怪しいと思います。同じ、2Mbpsでも機種によって動画が再生できたりできなかったりという機種依存の問題もありますし、インターネットに接続するサーバーの性能も個々の格安SIMが採用している設備による差があります。それを高性能なものに入れ替えただけでも、通信環境ががらっと変わりますから、速度だけチェックしていても、それがすべてというわけではありません。小規模回線での運営に技術的に介入しサポートしていくだけで、随分と安定性に違いがでると考えられますので、技術的なバックボーンも視野に入れないとなんとも言えません。特に、シェアがなく小さい規模の格安SIMでは、トラブルが発生しやすい環境にあると思っています。ユーザ数でいうと少なくとも10万以上は欲しいところではないでしょうか。