2014年2月28日金曜日

1970年代のポピュラー音楽からみて

 1970年代後半、高級ラジカセを買ってもらった。それまでのラジカセは、ハムノイズがのったり音が良いとまでは言えないもだった。それでFM放送を聴きまくった。クロスオーバーイレブンはほぼ毎日聴いていた。サウンド面で充実していたロックを聴き、そしてフュージョンを聴くようになった。理由は、音の出し方がきれいで演奏技能も比較的高いことにあった。
 ただ、ポピュラー音楽では演奏がうまいだけでは喰っていけないので、優れたコンポーザーなりプロデューサーが必要になってくる。1970年代は、アメリカでボサノバブームがあったり、ロックが新しいサウンドを求めたり、クロスオーバーからフュージョンへと完成度を高めた時代であって、オーディオもHi-Fi 志向へと音響環境も向上していた。こうした好条件もあって、ポピュラー音楽はピークを迎えようとしていた。
 肝心の音楽というものは、才覚のある人がやるのであって、当然スランプがあったりする。商業ベースだと浮き沈みも激しく、一曲ヒットしたぐらいでは、すぐに姿を消してしまう。かといってコンスタントに冴えのある活動を続けるのは不可能に近い話でもある。
 最近、レコードを聴くようになったが、ちょうど1980年ごろといえばフュージョンのピークでもあるのだが、優れた演奏者が多かったのかもっと思えてならない。すでに他界されてしまったミュージシャンも多く、高齢で創作活動をしていない人がほとんどだ。
 最近では、学校でジャズを教えてくらい社会環境も変わってしまっている。音楽に飢えている状況というか、ハングリー精神がなくてジャズができるのかどうか。それは音にダイレクトに反映するところもあって、フュージョンに至っては人々の共感を得るサウンドを失っている。ほとんど趣味の領域であって、芸術性からはほど遠いものが多くなってしまった。ここら辺は、聴衆の不満のあるところで、そういう人はポピュラー音楽を聴かなくなっている。