2024年9月15日日曜日

Android リファレンス端末の必然性について

  Android OSをメーカーに要件付きで提供して、数でiPhoneを押しきるという戦略も、海外ではiPhoneが高価で購入できないということから比較的安いAndroid端末を使うという構図がデータからも示されていますが、これはGoogle Androidとスマホ製造メーカー、携帯キャリアの三つ巴の攻防があって、傍からみていても、うまくいってるようにはみえません。スマホ信者は、異論を唱えるところですが、ニッチな市場の住人の主張であることが、ほとんどで大局観的な視点を持っていないので、それはそれとしておきます。

 Androidとしては、先にリファレンス機に基づいたスマホ構成を構築しておきたかったわけですが、少なくとも国内では、nexusからPixelと芳しくない結果になっています。これは、iPhoneをデザインにおいても追従する製品が大半であることから、オリジナリティがない独自性がないOSというイメージも手伝って、米IT業界では、先進性はAppleに任せた方が開発コストも浮くという経営的な判断が反映されているといえます。こうしたユーザーのAndroid端末に対するネガティブな意識を覆すには、リファレンス機の存在が必要だとするところもあったと思いますが、iPhoneとの価格差からAppleがそれを許さない体勢に持っていったので、リファレンス機は、Pixelどまりになっています。

 国内シェアでは、iPhoneが70%を占めていて今後も、この傾向は変わりません。その背景には、個人情報の漏洩であるとかサイバー攻撃に対応したいというスマホに詳しい層が必然的に、iPhoneを選択肢として考えているのではないかと思います。現時点では、問題にはなっていませんが、スマホに全機能停止ができるチップなり回路構成にした端末が、携帯キャリアの販路以外の通販などの怪しい販路から広まる可能性は常にありますので、行政側でも目を光らせておいてもらいたいものです。

 国内の30%未満になったAndroid端末としては、特化型の機能性を重視したものでしか、起死回生を狙えなくなってしまったので、グローバル展開を重視していることからも、今後も国内シェアが拡大する見込みは、ほぼないかと思われます。これは携帯電話文化のあった国内での国産メーカー製のスマホがほとんどなくなったというのもシェアを落としている要因でもありますね。なんならAndroidの国内撤退の可能性もないこともないと思います。

 Android端末の黎明期に、リファレンス機の構築を模索していたとは思いますが、iPhoneの模造品と言われてしまうなど、ここは、どの企業が手掛けても難しいところなので、致し方ないところですが、ハイCP機でのメーカー別シェア争いも国内では、シェア30%未満であれば、規模としては大きくはないので、長くは続かないとは思います。新しい戦略が求められるところですが、シェアが30%だということで逆にサービス品質の低下が問題視される段階に入りつつありますね。国内メーカーの個人向けスマホ開発撤退やら、経営破たんなどが、それを示しています。