2014年3月3日月曜日

帝王マイルスのご乱心!?エレクトリック・マイルス(その2)

 マイルス復帰第一弾「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」をFMのジャズ系番組で聴いたのが筆者の帝王マイルスとの関係の始まりですが、その時MCのジャズ評論家が「このアルバムがどれだけ影響力があるかどうか疑問です」みたいなことを口にしたので、よほど期待されていたんだなっとのん気に構えてはいました。
 すでに帝王マイルス不在が5年以上、活動休止以前がセールス不振とあっては影も薄くなろうというもので、筆者にとも、今ひとつピンッと来ませんでした。こともあろうか復帰後のマイルスをエレクトリック・マイルスと勘違いしたまま数十年が過ぎてしまったのです。FMラジオでかかるのは、「ビッチェズ・ブリュー」ぐらいで、エレクトリック・マイルスはファンク色が強くて、スルーされているかのようです。
 「オン・ザ・コーナー」を聴いて以来、エレクトリック・マイルスへの関心が高まり、少し聴いてみようということでアルバムをネットで視聴してみると、いままで聴いたことのないサウンドがそこにはあって、今から考えると、このサウンドは帝王マイルスのものとして、手つかずな状態のままだったのかもっとも思えた。復帰後のマイルスは、分厚いリズム・セッションをあっさりと捨て、簡略化でもしたかのようなものになっていますが、いかにもマイルスらしいといった感じでしょうか。