2014年3月3日月曜日

フュージョンバンドの代表スタッフにみるクロス・オーバーの終焉

 1970年代半ばにピークを迎えるクロスオーバー(フュージョン)。筆者は、1980年代になってから、フュージョンの代表的なバンドであるスタッフを聴いていた。セッション(スタジオ)・ミュージシャンをゴードン・エドワーズが束ねたバンド。曲を聴いていてみると屈託のないサウンドになっていて、なんとなく楽想はシンプルなものが多い。1970年代後半のN.Yを拠点にしたバンドで、当時としては、音楽界に対してもメッセージがあったのではないかという印象も受けてしまうのは筆者の考えすぎだろうか。いま聴けるといったらリチャード・ティーがフューチャーされたものぐらいかな。逆にティーンでも楽しめるような作りになっているかも。
 このバンド、ドラムとギターがツィンで、管楽器が入っていないというリズム・セッション・バンドで、特にリチャード・ティーがメインというわけではない。ここいら辺も意味深である。1970年代の半ばでも、エリック・ゲイル、スティーブ・ガット、リチャード・ティーは売れっ子になっていて、参加したセションは数知れない状況になっている。正直スタッフのサウンドは巧みではあるが時代遅れというか古き良きサウンドが滲み出ている再構成されたものであることは、それまでのジャズ系ものを聴いてきたものなら、わかるところだろう。フュージョンとしても、少しロックを入れすぎているところなんかは、ゴードン・エドワーズの先見の明があったバンドだったと言えるかも知れない。