2017年4月24日月曜日

SIMフリースマホのコストパフォーマンスは最強なのか?

 格安SIMが使えるSIMフリースマホの紹介記事に、「コストパフォーマンスに優れている」とか「価格対性能比」というコトバを見るのが当たり前になっていますが、よく考えてみれば、体の良い売り文句(セールストーク)のようなものだと、誰でも感じているかと思います。そこのところを、格安SIMが使えるSIMフリースマホやタブレットについて、実際を体験から考えていきましょう。
2015年まで使っていたUSBデータ通信カード(対応Band 1のみ)

 筆者も、数年前までキャリアのスマホ(特別仕様のキャリア専用端末)を使っていました。au VoLTEがでる以前は、au のスマホに、au回線の格安SIM mineo Aプラン(ドコモはDプラン)を入れて運用していました。
 
 ドコモのスマホでは、ドコモ独自の仕様となっていて、格安SIMでテザリングができなかったのが、これを選択した理由でした。また、海外メーカー(特に某国メーカー)製のSIMフリースマホは、日常使いにするのには品質的にいって、どうなのかと思いスルーしていました。このような格安SIMは利用したいけど、それが使える気に入ったスマホやタブレットがほとんどない状況が数年前まで続いていました。
 筆者は、他のユーザーと同じように「コストパフォーマンス」を気にするタイプで、ゲームはしませんから、カタログスペックでいえば、エントリークラスといわれる入門機に位置づけされるものを選ぶことになります。はじめは、SIMフリーの7インチタブレットから導入してみましたが、タブレットの通信機能は、そんなでもないという印象でした。動作も安定しているとは言えず、7インチの画面サイズが筆者に合わなかったのか、某国メーカー製だったので製品そのものに違和感があったのか、ほとんど使わないという結果におわってしまいました。これでは、「コストパフォーマンス」が良いとされていても、そんなことはユーザーにとっては、意味のないことだと思えてしまいます。お金を溝に捨てているといわれても、何もいえない。つまり、「コストパフォーマンス」とは、いままでのものや競合製品とくらべると、「価格対性能比」がいいというだけであって、ユーザーが必要としている機能やスペックとは、あまり関係ない話であることがわかります。
 また、項目ごとに「☆」の数で評価するものがありますが、これもあまり意味のないような気がします。スペックを数値化するといっても、テスト環境下でのことであって、本体がガラス仕上げで滑りやすく、一週間もしないうちに落として壊れたとなれば、総合的にみて大きな欠点が他の優れた性能をスポイルしていると言えるかと思います。個々のユーザーが求める、もしくは必要とする性能や品質は、数値化するというのは不可能に思えますし、そうなってくると「コストパフォーマンス」の存在意義というのは、アピールするためのものであって、ユーザーにとって必要なものとは限らないケースもあると考えることができると思います。わかりやすいいえば、コストパフォーマンスをいくら強調しても、信頼のできないメーカー製品は、誰も買わないことがほとんどだと言えます。
 最近では、メーカーにこだわらないという傾向があるようですが、無線通信機器というのは専門性が高い製品なので、本来なら専業メーカーのものから選ぶのが最良の選択といえます。しかし、格安スマホにみられるように、価格優先の風潮があたかもあるように煽る情報に、「コストパフォーマンス」や「価格対性能比」とコトバを使っているに過ぎず、肝心のユーザーの利便性について目をそらしているとも思えます。賢いユーザーからしてみれば、本末転倒な話に聞こえそうな話で、そんなことは誰でもわかっていることだと言われそうですが、常に意識していないと情報に流されてしまうことを考えれば、こうしたことをユーザーなりに分析する必要があり、それがないと引き出しが数日ぐらいいじっただけで使わなくなったスマホやタブレットでいっぱいになってしまう日がやってくるのではないかと思います。