2016年8月12日金曜日

格安スマホのメリット・デメリット 筆者の事情から

 格安スマホの低価格化路線が進み、5.5インチのZenFone Go(19,800円税抜)が発売されて人気に火がついた。これは、いままで、この価格帯で、5.5インチ液晶を搭載したモデルがなかったことが人気要因の一つと考えられる。しかし、品質面を考えると中国製の格安スマホは、セカンド端末であって、自宅Wi-Fiでデータ通信端末としての利用が主な用途と予測される。筆者もキャリアのスマホと格安スマホを使い分けているが、音声通話をキャリアので、データ通信は格安スマホと言う棲み分けをしている。なぜ、格安スマホを使っているかと言うと割と気楽に取り扱えるからで、お試し感覚が強い。ここでは、格安スマホと言っても中国製のものについてのメリット・デメリットを考えていきたい。
 格安スマホのメリットは、価格以外にはないと言ってもいいかと思います。機種によってスペックの違いはありますが、どちらかというと最近になって標準的な品質に近づいてきているという見方をしています。これは、SIMフリーのAS01M(NTTコムストア価格11,800円税抜)を実際に使ってみての感想でもありますね。とはいえデータ通信をメインで、雑に扱えるスマホが欲しかったのが格安スマホを使っている動機です。スマホの代表格 iPhoneをはじめハイスペック機ですと、10万円前後はしますので、「雑に」と付けましたが正しくは「普通に」です。高額なハイスペック機への反動で、格安スマホを使うユーザーも多いと思えます。
お気づきになりますか?USBポートがやや斜めになっています。


 中国製つまり中国メーカー製のスマホは「標準」的なものに近づいたと言いましたが、上の画像にあるようにUSBポートが少し斜めになっている為に、USB端子も斜めになっています。こうした細かいところには、あまり気が回らないのが中国製品ですね。技術を開発するのではなく、コピーしているので、開発者でなければわからないところが削げ落ちています。そうなると必然的に落とし穴ができてしまうことが多いです。このUSBポートが斜めになっているというところは、落とし穴が他にもあることを暗示していると考えていいかと思います。
 数年前から国内メーカーのSIMフリースマホが登場しましたので、メインで使うなら国内メーカーのSIMフリー端末に切り換えるのが大半だと思います。なぜそうなのかは、先にあげた製品コピーに問題があるからです。バッテリーをとってみても安全機能が備わっていて技術者でもなかれば、安全機能が備わっているか確認できません。また、中国製品では手抜きをしてしまうので、気をつかなくてはなりません。こうしたことから連絡ツールとして考えると中国メーカーのSIMフリースマホは使えないということになります。例えば、勤めている会社から中国製の格安スマホが支給されたら、社員は「この会社は先がないかもしれない」と思うはずです。実際に、AS01Mを使ってみると電波状況が良くないのか自宅では、3Gでさえも落ちることがあります。また、SoCがMediaTekだからだと思いますが、復帰するのにかなりの時間を有します。しかも、必ず3Gから4Gへとつながります。MediaTekも台湾にある中国メーカーですが、通信面ではあまり良いものではないと思います。まず、こんな状態のものでは仕事には使えません。家庭用としても緊急連絡の場合には、どうなのか本体ボディー剛性や使用されているパーツの耐久性などを考えると、品質を保証する第三者機関が存在しないので、その分リスクを考えておかないとなりません。
 さて、AS01M以前にASUSのZenFone2 Laserを導入したのですが、こちらはIIJmioの音声通話対応SIMを入れて運用しています。こちらは、待ち受けを優先させているので、あまり使い込んでいません。格安スマホのほとんどが防水・防じん対応ではなく、耐久性に不安もあるのでデータ通信は他の端末で済ませているという事情があります。ZenFone2 Laserぐらいの品質ですと、SoCはSnapdoragon 410ですし、子どもに持たせても良いかなという気持ちにもなります。また、お小遣いで格安SIMの端末として値ごろ感がありますが、富士通のarrows M02と比較すれば、どちらかというとデータ通信メインのセカンド機という位置づけになるかと思います。LaserとM02の価格差は、税抜きで9千円ぐらいなので微妙なところです。
 7月にリリースされた人気ゲーム「ポケモンGO」では、スマホにジャイロセンサーが搭載されていないとAR(拡張現実)がオンにできません。格安スマホのほとんどがコストダウン版なので、このジャイロセンサーを搭載しておらず、ポケモンGO専用にキャリアの中古スマホが求められる現象が起きているようです。こういうところもユーザーとしては頭に入れておかないと用途によっては、導入した格安スマホが役に立たないというコスト以上のデメリットを受けることになります。
 格安スマホの情報について考えることにしましょう。実際、有益な情報は数少ないもので、情報内容の信憑性も個人発信のものですと、確証が担保されていないので不安定となります。メディアの情報は、スポンサーを意識しているので、どちらかと言えばメーカー寄りの情報で、担当者が普段使いに格安スマホを活用しているとも思えないですから、長くても数日間、短くて数時間手にとって、メーカーサイトにあるスペックを伝えるぐらいの情報内容です。つまり、徹底した製品分析をしていることはほとんどないです。ですから、長所も短所もわからないままコストだけで格安スマホを選ぶケースがほとんどではないかと考えています。これはユーザーにとってデメリットです。検索すればいいことだと思えますが、現実には時間を費やしているので、これもデメリットとすることができます。
 こうしてみると、普段使いのメインに国内メーカーのSIMフリー端末があって、その他にゲーム用であるとか電子書籍用などの限定的な用途で、中国メーカーのSIMフリー端末をセカンド機として利用すると言うことが容易に想像できます。筆者は、ゲームなどをしないので高いスペックを必要としませんが、価格性能比に優れたハイスペックを格安スマホに求めるという向きもあります。総合的な品質からみて価格相応なものなのかどうかは個人の判断によるところとなりますが、個人的には、実際に格安スマホを使ってみると、あまり芳しくないという印象を持ってしまいますね。