2016年9月5日月曜日

個人ユーザーには、メリットが見えにくいWindows 10 Mobile

 某地方銀行がWindows 10を全面導入するに伴いMCJのMADOSMA Q501Aを2,400人に配備するニュースがあって、Windows 10 Mobile端末が企業にとってホットなものだということを認識した。VAIO Phone BizもNTTドコモから法人向けに販売している。また、KDDI auからは、法人モデルとしてHP Elite x3が9月5日に発売された。この動きは今後拡大していく様相を呈していると言える。
MADOSMA Q501は、SoC:Snapdragon 410 1.2GHzだがROM 8GBしかない
会社から支給されたWindows 10 Mobile端末ならいざ知らず、個人ユースだとメリットは対応アプリの少なさゆえに見えにくくなってくる。特に通話については、Microsoftの傘下であるSkypeを使ってくださいといういことになるのだが、筆者は他社のIP電話やプレフィックス電話を使いたいので、公式の対応アプリをストアで探しているのだがどこのもない様子。
Windows PC、タブレット用の050 plus(IP電話)アプリ Windows 10 Mobileには未対応

 筆者は、Windows 10 Mobile端末のMADOSMA Q501とDiginnos Mobile DG-W10Mを導入したが、SNSのTwitterでは投稿ができたりできなかったりで意気消沈しているといった具合で、確実性ということでは、今ひとつな結果になっている。MADOSMA Q501では、Upgrade Advisorアプリで、Windows Phone 8.1からアップデートして、Windows 10 Mobileにした。8.1よりも、細かい設定ができるようになり、操作性も改善されたと思えるが、先にあげたアプリの少なさがあって、お寒い状況となっている。Skype以外のIP電話が使えないということで、SNSを利用しないユーザーにとっては、ほとんど役に立たないOSとも思えてしまう面を持っている。
 対応アプリが少ないので、ブラウジングを含め標準ブラウザのEdgeで対応しなくてはならなくなるのだが、Edgeが対応していないサイトでは、制限付になったり表示がちゃんとできない場合もあることを考えると、ほとんど使い方がいくつかに固定されているように感じてしまう。このような現状では、個人ユーザーに普及することは、まず考えられないと言っていい。
 会社から支給されて使い方が固定されているという条件下で、Windows 10 Mobileは実用性があると思われるものの、それ以外では個人ユーザーにとっては対応アプリの少なさからいって、まったく役に立たないデバイスだとも言い切れるのではないだろうか。筆者は、5インチHD液晶で、SnapdragonのSoCを搭載しいる1万円前後のデバイスということと、Windows 10 Mobileへの関心も手伝って導入してみたところ酷評をしなくてはならなくなってしまい、いささか残念な思いでもある。後日、Windows PCとの連携なども考えてもみたが、Continuumにおいては、高スペックのものでないと対応できないし、いまのところはまさに法人向けで、個人ユーザーが使うものではないような気がする。