2020年3月24日火曜日

格安SIM3社(IIJmio、OCNモバイルONE.、mineo)を利用してきてみて考えた格安SIMユーザーの死角とは?

 いままでメインの通信インフラとして利用してきた格安SIMについてまとめたいと思います。筆者は主に音楽や動画再生に格安SIMを利用していますが、mineoのパケット放題(オプション)を利用することで、やっと利便性を実感できるようになりました。
 さて、この格安SIM3社とは数年前に銀行のデビットで契約しました。現在ではデビットでの料金未払いが多発したためかクレジットカードでの契約がほとんどとなっています。契約しているmineoでも3大キャリアに対応しましたし、IIJmioでもdocomo網とau網に対応していますので、ことさら新規に他社と契約する必要がないというのが筆者の個人的な事情です。
 裏を返せば格安SIMの料金の差は、それほどでもないので、格安SIM選びの決め手になるものは安定した通信品質だと言えます。一般的には、格安SIMはキャリアから小規模の回線を借り受けて運用していますので、過度に利用者が増えると極端にデータ通信速度が遅くなるという欠点があります。この欠点を解消するには借り受けている回線の規模を大きくする必要があります。しかし、回線の利用状況(トラフィック)を公開している格安SIMはほとんどありません。料金が安くなったもののつながらないのと変わらない通信状況では無駄に料金を支払っているということになります。この点について経済産業省から指導しているのかどうか疑問の余地があります。
 さて筆者が契約している3社について具体的な利用状況も含めてみていきますと、通信品質ではIIJmioが比較的安定していると利用状況からみています。IIJmioは、MVNOだけでなくMVNEとしてイオンモバイル、BIC SIMやDMMモバイルなどに技術提供しています。このMVNEとして事業展開できるだけの設備や技術があるのかという点にも着目したいところです。IIJmioで気になるマイナス面はメールアドレスを付与していないことぐらいでしょうか。IIJmioユーザーのほとんどが月3GBのコースを選択していることから格安SIMとしてとりあえず選ばれるといった印象を受けます。
 NTTグループの一つであるOCNモバイルONEですが新コースになり低速データ通信での規制が復活しました。筆者は旧コースの日次コースを現在でも利用しています。音声を聞くために144pでの動画再生に規制なしの低速を使っていましたが新規では規制のあるものになりましたので、他社と変わらないものになったといことでしょうか。OCNユーザーとしてgooポイントの連携ですとか手続きが煩雑な印象を受けてしまい、あまり便利だと思ったことはありません。既存ユーザーにキャンペーンで端末割引をgooポイントで付与など何かと忙しいユーザーには訴求力がないのではないかと思います。データ通信については、NTTコミュニケーションズが運営していますので特に不安になることもなく、IP電話の050plusも積極的に使っています。ここも技術的には問題ないと思っています。また、Wi-Fiスポットが利用できるのは、Wi-Fiスポットが多い都心部での利用ではデータ通信の遅さをカバーしてくれるという強みがあるかと思われます。
 関西電力グループのmineoですが、2019年に大規模通信障害が発生したことで、信頼度ががた落ちしたと言えます。キャリアでの通信障害も想定すると格安SIMで通信障害を起こすということは、かなりのダメージになります。先に通信規制のないパケット放題(オプション)がはじまったことで筆者は契約の継続をしましたが、それがなければ解約の対象になったと思います。コミュニティーサイトの「マイネ王」にしても適時情報提供としては充分に機能しているとは言いがたいですし、パケットのやり取りが自由にできるというメリットやマルチキャリア対応といことで複数回線を契約したいユーザーには何かと便利なところがあります。しかし、肝心の通信に不安があるのではメインとしては使えないということになるので、通信品質に重点をおきたいということであれば、mineoは外すというのが妥当な評価かなと思います。
 筆者が契約している3社について述べてきましたが、MVNEとしても実力があるMVNOを選ぶのは格安SIM選びの1つの指標だと思います。盛んにCMを流して知名度をあげている格安SIMもありますが、技術的に実力がないMVNOを選ぶことはユーザーのベネフィットを確保するとは限りません。それだけ格安SIMの料金には大差はなく、通信品質で選ぶのが当たり前だと言えるかと思います。