2016年7月14日木曜日

多様な用途が想定できる格安スマホ向きのユーザー気質とは?

 数年前から国内メーカーのSIMフリースマホが販売され情報通のユーザーにとって、格安スマホのポジションと言うものが、かなりはっきりしてきている。6,800円の格安スマホを販売しているNTTコムストアのランキングをみても、安定して6,800円の格安スマホ(3G回線のみ)がベスト5に入ってる状況だ。

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 格安SIMでは、端末セットで格安スマホを用意しているが、とにかく格安SIM会社の数が多いので、すべてをチェックするのは不可能に近く、新製品情報やキャンペーンなどを素早くキャッチすることすら至難の業ではないかと思われる。また、OME(ODM)製品では同じようなものが別々のメーカーから販売されていたりして、情報の混乱も一部みられるようだ。
 こうした状況下で、正確な情報を得て必要にして充分な性能のSIMフリースマホをタイムリーに導入するというのは難しく、こうした低価格の端末を熱心に解説するメディアの記事も数少なく、ユーザー泣かせの製品群ではないかと思っている。
 筆者は、どちらかというと呑気に構えている方で、判断が遅れているうちに次の新製品が発表されるという悪循環の中にいる。つまり、乗り遅れるタイプなのである。スマホと言うのは据え置きで使うものと異なり操作感覚などのフィーリングで決まるところがあるので、手で使う道具とすれば相性がマッチしないだけでも最大限に活用できないというデメリットが発生してしまうリスクがあって、Androidスマホを手にするようになって、その繰り返しが続いているのが筆者の現状だとも言えなくもない。
 格安SIMを利用するのには端末が必要で、しかもSIMフリーというキャリアとはまったく関係のないものをメーカーや格安SIM会社から導入するのは、いままでにない不安材料が多くあるので、こういうことに労力をかけたくないユーザーは、スルーすることになる。少なくとも国内メーカーがSIMフリースマホを販売するようになったとしても、指先に乗るような小さいSIMカードをスマホの背面カバーを外して、SIMスロットに入れるだけでも、げんなりしてしまうユーザーは存在するわけで、スマホの下調べに使う延べ時間をあわせれば、時間効率があまりいいとは言えないものなのかもしれない。当然、時間を大切にするユーザーは時間効率の良い選択肢を選んでいくので、決して整備されているとは言えない格安SIMは、めんどくさいものとして片付けられることになってしまう。
 価格をみてみると、数年前は3GのみのSIMフリースマホでも3万円台だったので、筆者は格安SIMを利用するためにスマホを見切って、中古のUSBデータ通信カードに格安SIMを入れて使っていた。中国製のSIMフリースマホもLTE対応になり、それでも3万円台のままの価格推移だったが、国内メーカーがSIMフリースマホ市場に参入する前後から、低価格路線のLTE対応SIMフリースマホが登場しはじめた。こうした動きの背景には、格安SIMが音声通話対応になりマスコミが大々的に取り上げたというところに負うところが大きい。この時点では、ユーザー動向が高価なものなのか低価格のものに向かうのかの判断もできずにいたが、特にその品質からユーザーの多くは低価格路線に流れたようだ。筆者が導入したarp AS01Mも1万円台前半の低価格なもので、さすがに格安スマホの特に中国製のものに3万円も出す気にはならない。これは、コストダウンがどうしてもボディー素材に影響してきて、性能の割にはチープな仕上がりになりがちだからだ。中国系メーカーはそこらへん無頓着でイミテーションしてあればいいみたいなザックリな感覚なので、国内ユーザーの価値観の大半は、わかっているけど使いたくはないというところだと言える。個人的には、1万円台でもだしている方で、3万円台の国内メーカーのSIMフリースマホやiPhoneを最後にもってきて格安スマホについては終わりにしたいと思っている。
 いままでのことを踏まえると、格安スマホは全体からみれば少数派にあたり、多少マニアックなところがあって、情報通でないと格安スマホの世界を渡っていけないのではと思っている。特に、格安スマホのスペックについてコストパフォーマンスの高さを求めるコアなユーザーが割りと多くいて、新機種がでると頃合をみて次々と端末を乗りかえていくバイタリティーのある者が使い続けていくものなのかとも思えるところがある。筆者の場合だと、そうそう使いたいSIMフリー端末もないので、使わなくなったものを一斉に処分してから次を考えるという最善とは言いがたい状況になりつつある。