2016年5月12日木曜日

イオンスマホから格安SIM事情を考える

 イオンスマホがMVNO事業者としてリニューアル(?)した。業界最安値とも言える部分がある料金体系をプッシュする記事がネットにもチラホラとあるのだけど、メインターゲットは店舗で申し込む中高年層だろう。こうした中高年齢層をターゲットとしたものに、日本郵便のMVNO参入というニュースもある。しかし、客層を考えると小売業と金融機関という違いがあって、安さを求める小売業のお客と信頼重視の日本郵政のお客とは自ずと対応も変わってきそうな気もするが、どうだろうか。
 イオンはいままでに格安スマホを販売してきたというノウハウもあるので、今回のMVNO化も販売側のことであって、新しい料金設定以外では、一般ユーザーからするとさほどインパクトもない出来事だと言える。通信費がおさえられるのならスマホでもいいよといった感覚のお客さんも多いことでしょう。
 いまのところ格安SIMの最大の魅力は安さであることは間違いないのだが、格安SIMを選ぶ際に通信のみならず総合的なサービスとして、どこまでユーザーに評価されるものを用意できるかということが選択要因になりそうと思える。
 国内メーカーのSIMフリースマホがこぞって、おサイフケータイ機能を搭載したのも利便性からユーザーに選ばれやすいと踏んだところがあるし、実際に便利な端末としてのアピール度は高いと言える。しかし、先にあげたように中高年層ユーザーともなると、スマホを便利なものとして活用するにも、その内容が年齢層にあったものというところに持っていくものもあり、そういうところはまだ成長してはいないような気もする。実際に、おサイフケータイは使う場面では便利だが、事前に登録やチャージをしたりする準備が必要で管理が面倒なところがある。
 格安SIMのスマホやタブレットなどの供給不足を話題にすることが多かったのだけども、用途は個々に異なるが、便利なサービスを受けることができることでスマホの価値評価が決まることは言うまでもないことだと実感するようになった。ネット検索で必要な情報を、その場で引き出せるということだけでも大変便利だといえるのだが、サービス面でキャリアに劣る格安SIMのユーザーは、そこらへんを自力でなんとしないといけないという課題があるのではないだろうか。