2016年5月29日日曜日

予算の都合で、格安スマホを選択肢として考えた場合に知っておきたいこと

 スマホをちょこっとしか使わないユーザーにとって、いくらのスマホならいいのかというのは割りとシビアな問題です。最近のスマホは、バッテリーが固定式のものになっていて、バッテリー交換をメーカーに依頼しなくてはなりません。毎日、少しでも使っていれば、数年で半日も持たない状態になります。AppleのiPhoneでは、バッテリーが劣化して日常シーンで使えなくなるのが3年と公言しているとか。こうしたバッテリー寿命やOSのアップグレードのことも考えると、数年したらバッテリーを交換するよりも機種変更する(買い替え)という選択肢がより現実味のある話に聞えてきます。
 限られた予算で、ユーザーの用途にあったスマホを選び出すのは、格安スマホでも機種が多くなってきていますので、大変な作業になります。スマートフォンがもともと多機能であることからチェック項目が多く見落としがあると、用途にあわないものを導入してしまい、ほとんど活躍せずに終わってしまうケースも十分考えられることだと言えます。
 用途から海外製格安スマホをみてみると、防水でない、おサイフケータイがない、ワンセグがない、赤外線通信がないということを考えておかないといけません。しかし、2015年から国内メーカーのSIMフリースマホは、防水+おサイフケータイ仕様になりました。それまでは、おサイフケータイががない防水仕様のものだけでした。価格帯は、だいたい3万円前後になります。イオンモバイルの初代VAIO PHONEは、ちょっと違うだろうという異色な存在で割高です。
 格安スマホで気になるのはスペックもそうなんですが、耐久性や品質、故障しやすいのではないかというところになります。噂レベルですが、中国製には当たり外れがあるとか、その品質への不信感を煽るような情報も多くあります。
SIMフリースマホ VAIO PHONE VA-10J(日本通信)
 VAIO PHONE VA-10Jなどは、台湾製のもので典型的な海外製のSIMフリースマホのスペックなんですが、発売までの経緯にいろいろありまして、性能よりも割高な価格設定になっています。もとはビジネス向け端末として話が進んでいたそうなんですが。
 選ぶ側からすれば、必要な機能や性能があればいいわけですから不要なものは削ぎ落とし余分なコストのかからない端末でいいわけです。たとえば、音声通話のみでしたら、3G回線を使いますので、LTE対応端末でなくてもいいわけです。これですと、NTTコムストア(NTTレゾナント運営)で、1万円以下からSIMフリースマホがあります。それも極端な気はしますが、SIMフリー以外だと中古(白ロム)キャリアスマホがありますが、新品ではないので、バッテリーが劣化していたり、使用による消耗があったりと、一般ユーザーには実際には敷居が高いところがあります。
 一般的に言って、格安スマホは2台目スマホとか予備機などと言われ、データ端末として使われていたり、自宅Wi-Fiで運用されていたり、メイン機が故障した時に備えてストックされていたりしています。そうした役目の格安スマホも、2万円台後半だったメインとしても使える格安スマホの価格がじりじりと下がっており、予備としてもニーズがあった1万円台の格安スマホと同じ価格帯に混在するようになっています。もちろん、安ければ安いほどスペックが下がりますが、ここは価格競争の影響なので、スペックやボディーの仕上がりなどを注意力を持ってチェックしていかないと資金を無駄にする可能性が高いです。筆者も格安スマホといわれる海外製のSIMフリースマホを導入しましたが、気に入らないのでほとんど使っていません。まさに無駄だったと言えます。
 格安スマホ(海外製)の価格動向は、ミドルレンジクラス言われる中間的な(いまではやや下回りますが)性能のものが2万円台前半になっていて、やや古いものですと1万円前後(中古も含む)になっています。これは、中古(白ロム)のキャリアスマホの価格が強く影響していると考えられます。Android OSは、筆者の経験上4.4以降のものから視野に入れています。OSバージョンについては、中古キャリアスマホよりも、格安スマホにアドバンテージがあると言えます。
初夏の格安スマホまつり対象商品 ASUS ZenFone Go (ZB551KL)(全3色)+ 選べるOCNモバイルONEセット 【送料無料】

 人気のあるASUS ZenFoneシリーズの新しいSIMフリースマホ ZenFone GOです。価格がおさえられていますが、バッテリーが3,010mAhに強化されています。 逆にアウトカメラは800万画素ものにスペックダウンしていますが、ディスプレイが5.5インチHD液晶なので、5インチのものより見やすく老眼対策にもなりますね。
ASUSは台湾のPCメーカーで、国内メーカーのPCの中身はASUSだったということが多々あるぐらい技術的には信頼されているメーカーです。スマホに進出して、GoogleのNexusシリーズタブレットを製造したこともあり、前々モデルのZenFone5が人気になったという実績があります。PCに詳しいユーザーならASUS ZenFoneシリーズは気になるところだと思います。
 そのASUSが、5.5インチHD液晶を搭載しバッテリーを強化したZenFone GOを投入してきました。市場価格は、2万円前後だと言えます。タブレットの実績もあって、タッチパネルは使いやすいと思います。この機種は、実機を手にしていませんが、筆者はZenFone2 Laserユーザーで、ASUSタブレットやNexus 7 (2013)を使った経験もあるので、タッチパネルの操作性については問題ないと言えます。価格では、ZenFone2 Laserで2万円台後半だったので、これはもう戦略機と言ってもいい内容だと思います。これよりも安い1万円台の格安スマホのスペックは、メモリのRAM 1GBだったり、ROM 8GBで、わかりやすくいうとメモリ不足でアプリもわずかしかインストールできず、動作もモッサリしてしまい調整するのには、ある程度の知識が必要で、基本ライトユーザーと言われるアプリをあまりインストールしない使い方向きのスペックのものになりがちです。それと、さすがに1万円前半の価格帯のものですと、品質面で日ごろ使っていて大丈夫なのかという不安になるところもあるので、積極的にはなれないところです。
 中古(白ロム)のキャリアスマホをあわせて、格安スマホを考えるとコストはおさえられるが機能は限定的で、特に中国製となると品質面で怪しい無名メーカーのものもあって、シェア拡大どころか、知られたメーカーは別にしても、縮小すると筆者予測しています。先にあげたZenFone GOは、生き残りの布石という意味合いでも、かなりの意欲作だと評価しています。5.5インチ液晶でしたら、電子書籍とか書類ファイルを閲覧するのも、なんとかいけるものだと思いますし、格安スマホはデータ端末やゲーム用の端末として発展していく道を歩むのではないかと思います。
 最後に、某国内ベンチャー企業が販売する中国製格安スマホについてです。コストパフォーマンスがよい端末を続けざまに発売していたのですが、工場出荷時のアプリの中に勝手に中国サーバーと通信をするものが存在し、そのアプリはあらゆる権限を与えられておりスパイウェア(マルウェア)ではないかとユーザー間では囁かれています。結局、中身のアプリまでは目が届かないほどの丸投げで中国メーカーに開発を委託していたことが発覚し、信用は地についたと言える状況になっています。こうした端末が存在するということも忘れてはならないところ。チャイナリスクは半端ないですからね。