2016年6月27日月曜日

原点回帰したiPhone SEにみるApple iPhoneの凋落とは?

 iPhone SEは、A9チップを搭載しているものの数年前のモデル iPhone5sとデザインは、一部表面仕上げが変更しただけでのもので、部品も共有しているという情報があります。「原点回帰」したかのようなiPhone SEがなぜ誕生したのかという疑問が今までのiPhoneユーザーにはあるかと思いますが、4インチ液晶搭載のiPhone 5sは最近まで販売台数が増加傾向にあった現役製品で、それを部分的に新しいものにして訴求力を強化したモデルだと言えます。AppleのCEO ティム・クック氏は、市場の状況判断に秀でた人物で戦略家でもあります。前CEO スティーブ・ジョブズらしい人選なんですが、部品調達に於いても他社を牽制して単独で新製品を発売できる状況をつくってしまうクック氏の能力は、ジョブズにとって必要なものでした。そうした戦略の中で、根強い人気のあったiPhone 5sという4インチスマホを開発コストをおさえて新製品として世にだしたということになります。
 しかし、業界としてはiPhone SEについて取り扱いやすいサイズ以外では、製品開発のヒントになるものがなく動揺にも近いものがありました。開発コストをおさえるには、Appleの新しく導入される革新的と思わせる技術をヒントに、模倣に近いことをしていれば製品価値が維持できるという糧が絶たれた製品だったわけです。つまり、スマホはiPhoneをお手本にここまで成長してきたもので、他社は自力で、魅力ある製品を開発する能力がほとんどないわけです。仮にあったとしてもヒット商品になる確率は、iPhoneでないのであれば、かなり低いのが現実です。
iPhone SE 64GB ローズゴールド
さて、「Appleの凋落」については、これは革新的と思わせる新しい技術を導入しないと困るメディア系情報発信者がAppkeに圧力をかける為の決まり文句みたいなものなので、一般ユーザーは気にする必要がないことだと筆者は思います。Appleの内部事情は置いておいても、それだけiPhoneが業界全体の中で重要な位置にあるということだということです。
 ネットでは、iPhone SEをストックとして取り扱うユーザーが多いという情報があって、たしかに多くのiPhoneユーザーにとって、iPhone SEは使ってみたいと思わせるほどの魅力がある製品とは言い難いものがあります。筆者もiPhone SEを検討したことがありますが、iPhoneに期待するのは通信機能とカメラ性能ぐらいで、4インチというディスプレイサイズだと作業スペースが確保できないので用途が限れてしまう面があるために、他のやり方よりも投資効果が低いのではないかと思えてしまいます。つまりは、通信機能とカメラに6万以上かけるなら、Android端末とデジタルカメラを揃えた方がメリットが大きいのではないかという考えが優勢になるわけです。ここは筆者の予算事情が大きく影響している話なので、参考にはなりませんが、どうしても4インチのiPhoneが必要だと思えるユーザーでないと、ちょっと手がでないものでもありますね。