2014年11月6日木曜日

低価格化が進む格安SIM向けのSIMフリースマホの価格の落としどころ

 格安SIMを使うのに、これに使える端末がないという状況が長く続いている。もちろん、安い中国製スマホ端末はあるが、これでは満足しないユーザにとって、格安SIMは気になる存在ではあるけども、実際に使うまでに至らないものという認識が広がっている。
 au回線のLTEを使う「mineo」がau端末であれば問題なく使えるということで、スタートしてはみたが、iPhoneのiOS8.0以降はサービスが使えないという問題が発生して、iPhoneユーザからの不評を買っている。また、キャリアのSIMロックがかかったキャリア専用端末ではないSIMフリースマホには、これっといった機種もないのが現状だった。
 そこでASUS  ZenFone 5 が国内販売を発表して、一気に格安SIM用のSIMフリースマホの供給不足を解消するのではという市場の期待感がでてきた。実機を手にしないと評価は難しいが、それまで、こういう期待をLG G2 miniという韓国製のスマホが業界側の期待を持ってか、こぞって販売されたがデータ通信メインの格安SIMにとって、RAM 1GBの仕様では役不足なところがあった。しかも、韓国製品は国内では下火で、人気がなくなっている。ASUSは台湾のメーカーで、PCパーツメーカーとして業界では、かなりの実績を持つメーカーで、タブレットの成功からスマホへという流れだ。国内販売発表会では、ZenFone 5 の生産台数が100万台(内訳不明)ということで、すでに海外では人気のある機種であるらしい。
 こうしたLTE対応のSIMフリースマホの価格は、国内向けのおサイフケータイやワンセグはなく、防水防塵仕様ではないので、全部入りのキャリア向けハイスペックスマホに比べて半額近くの3万円台になっていたが、今回のZenFone 5では、3万円前後とさらに安くなっていながら、データ処理に有利なRAM 2GBを搭載しているという1GBタイプにはない付加価値があるものになっている。ちなみ当然CPU(プロセッサー)もワンランク下のものになるが、3Dゲーム以外の一般的な使い方では差がでることは、あまりないと考えられる。
 格安中国製スマホが低価格を武器に海外市場で拡大しているが定着しているわけではなく、市場の基準からしたら品質も低い評価になる。そうした中で、商品価値のあるZenFone 5は、ハイスペックスマホへの影響力を持つ製品で、品質のあるスマホの低価格化を推し進める可能性がある。
 来年のSIMロック解除の義務かもあって、格安SIMが市場で知られるようになるば、データ通信は格安SIMを利用するスタイルが広まり、SIMフリー機市場の拡大が見込まれる。それには、安くて品質のある端末が求められるということになりそうである。いまのところ、国内では3万円前後まで来ているといったところで、海外ではすでに1万円台(LTE非対応)になっている。国内での格安SIMはデータ通信がメインなのでLTE対応のSIMフリースマホにニーズがあるとして、この間の価格帯に落としどころがありそうだ。