2016年4月14日木曜日

iPhone SEの評判について考える

iPhone SE

 今回登場したiPhone SEは、2世代以上前のiPhone5sのデザインをほとんどそのまま採用した4インチディスプレイ搭載のiPhoneだ。デザイン面での変更点は、側面の金属部分の表面加工が一部変更になっただけということらしい。
 iPhone SEが登場する以前に、iPhone5sの導入を検討したこともあるので、iPhone SEの評判を少し考えてみました。そもそも、iPhone6で、ディスプレイを大きくしてユーザーのニーズを反映させたのだが、根強い4インチiPhone支持層があって、iPhone SEが登場するまで、AppleストアでもiPhpne5sが販売されていたという経緯がある。つまり、携帯性に優れた取り扱いやすいサイズの4インチiPhoneを求めるニーズをフォローしたのが、iPhone SEなのだがデザインをほとんど同じにすることで、コストダウンを図るApple戦略というのがあって、ほとんどチップだけA9に変更したというものになっている。iPhone5s用のケースやカバーがほんどそのまま流用できるということだ。
 内容的には、iPhone SEは従来からのガラケー(フューチャーフォン)ユーザーが、スマホに乗り換える際に検討していいものではないかと思っている。5インチ以上のディスプレイになれたユーザーにとって、4インチiPhoneは通話用とか簡単なSNS用とか、つまりは従来からのガラケー的使い方をするための端末という認識になるだろうと思う。Androidスマホは、Googleが提供するサービスを軸に使い方に幅を持たせることができるが、AppleのiOSは洗練されているので、スマホを最大限に活用したいということでなければ、余計な労力を消耗することがないし、スマートな使い方ができる端末だと言える。
 ただし、iPhone5sのデザインをそのまま採用したことで、落とした時のディスプレイ割れについては、なんらかの対策が必要になってくるという問題はそのままになっている。ケースやカバーでもいいし、ガラス素材の液晶保護フィルムなどを貼るのも対策としては有効だろう。

 さて、iPhone SEの評判となると、いままで革新的な機能をiPhoneに求めてきたメディアの歯切れがよくない。数年前からAppleという企業は、ただのメーカーとしてよりも総合商社的な評判が主流になっていて、従来からのガジェット系的な視点だけでは語れなくなってきているところもある。
 今回のiPhone SEは、まさにそういった評価を象徴するモデルで、iPhone5sとほぼ同じ価格で、A9チップ搭載のiPhoneを提供したというところに、市場がどう反応するのかといった視点が必要になってくるところがある。堅実なユーザー(消費者)からすると、iPhoneだけを考えるユーザーにとっても、Androidを含めた端末を考えているユーザーにとっても、決定的な何かがわかりにくいところがあって、評判としてもiPhone5sのものに、A9チップを採用したということでの陳腐な評判しかでてこないところで、視点をかえてiOS環境について考えるぐらいしかiPhone SEを検討する材料がないとも言える。うがった見方をすれば、「失敗しないiPhone戦略」を実現できる企業力を投資家に示したという見方もあながちないとも言い切れないところがある。
 4インチのディスプレイサイズにしても、ソフトキーボードのサイズを自由に変えられるので、本体サイズがコンパクトで携帯性に優れているということぐらいしかメリットがない。国内スマホ専用使用ともいえる「おサイフケータイ」も「防水対応」も備えていないので、安価なAndroidスマホの方がコストパフォーマンスがいいともいえる。
 結局、本体価格から筆者も余裕があれば、iPhone SEを導入していいかもしれないぐらいで、iPhone4s(3.5インチ3G端末)があるし欲しいというところまでにはいたっていない。通話だけなら、iPhone4sで充分だと思っている。どうしても、iPhoneが欲しいという音声通話メインのスマホビギナーには、「iPhone SE」でいいんじゃないのといえるかなっといったところがユーザー側のiPhone SEについての評判なのではないだろうか。