2016年4月10日日曜日

iPhone SEが品薄になるほど大人気のウラ側

 発売されて間もないiPhone SEが品薄状態になっているというニュースを目にするにあまり喜べないところもあるのではないかと思ったりしています。
 iPhone SEは、4インチディスプレイ搭載で、旧モデルiPhone5sとサイズ的には、ほとんど同じなのかな。よくiPhone5sとの性能比較されていますが、性能はよくなっていて当たり前ですから正直いって、あまり意味のないことでもあるように思います。むしろ、iPhone6sと比べた方がわかりやすいと思います。
 Appleという革新性を持った製品を次々と開発してきた企業として支持している層には、iPhone SEは批判の対象でしかないような論調もネットでは多いです。iPhone SEは正確には不評だったiPhone5cのマイナーチェンジ版として映るところだと思いますが、AppleはコアなiPhoneユーザーよりも、一般ユーザーの獲得に躍起になっていると言えるでしょう。コアなユーザーだけでは、売り上げが不安定であることは誰にでもわかることですし、iPhone開発に息切れというか翳りがでてきてような気もしています。海外のスマホユーザーには、安くて使えれば端末なんてなんでもいいという層が結構います。基本的には電話機であって、ネット利用はおまけ程度に考えているユーザーも海外では多いのかもっと思ったりもしますが、iPhoneの場合その高価な値段からスマホ海外ユーザーの主流派への訴求力がいまひとつなのは確かだと言えます。
 iPhone SEの価格は、いままでのものとは異なり求めやすい価格設定にしてあることもあって、国内では人気のようですが、先にあげたiPhone開発の息切れの象徴的な印象もあって、コアな支持者には不評であろうし、Appleという民間企業の売り上げにまで気にするAppleファンでも理解に苦しむのがiPhone SEではないかと思えます。
 さて、Android SIMフリー端末を数年間みてきて、iPhone4sもたまに利用する筆者の目に、iPhone SEはどう映るのかというとiPhoneというAppleのロゴやそのデザインの端末が欲しいなら魅力的ではないかという思えます。iPodからiPhoneまでを目にしてきたので、いまでは少し違いますが、少し前まで流行りものとしか思えなかったところがありますね。iMessageにしても、使いづらさが際立っていましたから。そういうところはいまでも少し残っているとは思いますが、通信端末としてはAndroidのものより、iPhoneSEは知りませんが値のはるものはハードウァアは格上ではないかと思っています。しかし、製品寿命の短いスマホですと、2.3年で機種変するのが当たり前になってきているので、そうした端末に5万以上は出したくないのが本音ではないかと思います。キャリアの場合はいままで手厚い端末割引がありましたから、あまり関係ないかもしれません。製品寿命というのは、取り外し不可能な固定式バッテリーにほとんどのスマホがなっていますので、OSが最新のものにアップデートできない端末のバッテリーをメーカー依頼で交換するというのは考えにくいところもあって、製品寿命はバッテリー寿命と同じだと考えていいかと思います。
 国内事情を考えると、iPhone人気が高いため価格からいっても多くのユーザーがiPhone SEを手にすることになりそうです。ここは海外とは事情が異なるようです。ただ、国内市場規模を考えるとAppleからすればそんなにはウェイトがあるとはいえないので、情報発信元としての国内市場の活用というのはあるかもしれませんが、効果は限定的でしょうか。
 iPhoneのいままでの流れからすると、iPhone SEは特別な存在や特別な意味を持つ機種と言えそうです。が、戦略機といえるまでのインパクトはありません。今後、このようなエントリーモデルが続くのかどうかは、スペック的にはなんら魅力があるとは言い難いので、たぶんSEのような機種は今回限りで消滅する可能性が高いと思います。Appleとして、高スペックを詰め込んだハイコストパフォーマンスなiPhoneを開発できるとは考えにくいですし、そういった機種でないと市場を席巻できないのも、また事実でもあるのでiPhone SEは売れても今回限りで、続けるにしても値を吊り上げる方向に向かうのではないかと思います。