2015年8月16日日曜日

日本通信製 VAIO Phoneは、その後どうなったのか?

 日本通信から発売された「VAIO Phone VA-10J」は、その後どうなったのかを考えることになったのは次の記事を読んだからです。

バラして見ずにはいられない:「VAIO Phone」は世界に羽ばたけるか? スマホ低コスト化の理想と現実 (1/3)」(ITmedia Mobileより)


 筆者は、「VAIO」になんの思い入れもないので、日本通信製ということと性能や価格から見ることになります。現在の中古市場では新品に近いものが3万8,000円前後らしく、性能からみても、割高感があります。唯一、Android 5.0搭載というところで検討する価値はあるのかもしれないとは思います。
 さて、発売当初は、台湾のODMメーカー製で、パナソニックの「ELUGA U2」(国内実勢価格3万円前後)とデザインを含めて、ほぼ同等製品であった為に、叩かれまくった機種でもあります。はじめから、ODM製であることをほのめかしていればいいものを、やたら期待感を煽った結果、叩かれまくったという発表の仕方を誤ったことが災いしました。明らかに戦略ミスだったわけですが、そんなところは日本通信らしいと言えます。
 日本通信(b-mobile)のSIMしか使えないという誤解が発生したのも、日本通信のSIMがVAIO Phoneにしか使えない様になっていたからで、こういう特殊な機種はユーザから敬遠されます。「VAIO」というブランドで、押し切れると踏んだところに日本通信の浅はかな皮算用があったことが窺い知れますね。
 VAIO Phone VA-10Jは、正真正銘のSIMフリースマホとして日本通信と切り離して考えるとどうなのかという視点は今までなかったので、いまさらな感じもありますがみていきたいと思います。VAIOといっても、すでにソニーとは分離していますので、スマホの部品供給などが受けれるかどうかが気になります。
 VAIO Phone VA-10Jのスペックをみてみますと、Qualcomm Snapdragon 410 MSM8916 クアッドコア 1.2GHz搭載の5インチ液晶で、RAM 2GB、ROM 16GBで、バッテリー容量は2,500mAhです。メインカメラは、1300万画素です。Wi-Fiは、5GHz対応になっています。国内メーカー製ということであれば、なんとかなりそうですが海外製の格安スマホと土俵は同じものなので、いささか割高といったところでしょうか。価格から厳しくチェックすることになります。
 まずは、1300万画素のカメラの画質をチェックする必要があります。デザインは余分なところがないので、メインとして使えるものとなっていますので、普段使いのポイントとしてカメラ性能が使えるかどうかを見極める必要があります。なぜ、カメラ性能からなのかという疑問があるかと思いますが、対応周波数などはdocomoに納入した実績のない海外メーカー製ですので、実際に使ってみないとわからないという理由からです。また、ワンセグやおサイフケータイ、防水・防じん対応仕様ではありませんので、これといって特長はなく、あとはカメラの画質が使えるレベルなのかをチェックするぐらいしかないからです。
 カメラの画質が実用レベルだとした場合、価格を考えますと、3万円前後でやっと競争力がでてくる感じですか。Android 5,0ということで値が下がりにくい状況だと思います。このスマホを使うことで、VAIO Phoneが好きだというポリシーは感じられるので、それなりのブランド効果がありますが、VAIOというブランドに思い入れがないと、それなりの評価になってしまいますね。
 正確に言ってしまえば、国内メーカーのSIMフリースマホが3万円から販売されている現在では、「VAIO」というロゴが入っただけの海外製スマホで国内で戦うのというのは無理のある話であって、現状にそぐわない戦略になっていたわけです。しかし、後継機とかどうするんでしょうかね。個人的には、是非リベンジしていただきたいですね。