2015年10月18日日曜日

SIMフリースマホの動向を考える

 去年暮れから国内メーカーのSIMフリースマホが登場して、約1年が過ぎようとしています。第2世代のSIMフリースマホarrows M02も発表されて年に1回は新機種がでるのではないかという憶測がされるような状況になっています。格安SIMでも、安心して使える端末の安定的な供給が課題になっている状態がかなり長く続いています。
 SIMフリーの格安スマホと言われていた海外勢のものは、価格帯の隙間を埋めるような形で、一人勝ちを目指してはいますが、やはり加工技術とかに差があって国内メーカーのスマホ並みには品質をあげることは無理のようです。そういうこともあって、売れなくなったら、あっさり撤退ケースも想定して置かないといけないのが海外勢の格安スマホだと思います。

マルチキャリア対応SIMフリースマホ arrows M02
10月6日に発表されたマルチキャリア対応SIMフリースマホ arrows M02は、価格やスペックが現在のニーズに合致した端末だと言える。いまのところ、同じようなスマホが国内メーカーから登場しなければ、これがスタンダードになる可能性が高いですね。MIL規格準拠のタフネス仕様で、おサイフケータイ(FeliCa)機能も搭載しています。RAMも2GBなので、ストレスのないデータ端末としても利用できるところが売りです。これ以前は、Xperia J1 Compactに人気が集中すると思われましたが、次はarrows M02になりそうです。

 Xperia J1 Compactは、docomo Xperia A2 SO-04Fと同型で、スタミナモードの仕様が異なるなどの違いがあるぐらいのもので、Xperia Z3以上を支持しているユーザにとって、Xperiaという名がつくがXperiaにあらずといった機種だと思われます。ただ、キャリアのような端末割引がきかない状況で、Xperia Z3のようなハイスペック機が売れるのかと言ったら、すでに海外マーケットで実証済みのことなので、売れないとメーカーは読んでいて、それでXperia J1 Compactになるということです。これは事前のマーケティング調査なんかでも、よくあることですが好評のものを発売してみたら、人気のない他社の方が安いから負けた(売れなかった)ということは日常茶飯事です。こういうことはメーカーにとって致命的なことなので、ユーザの声をそのまま反映して動くのは大変危険なことであるという認識がメーカーにはありますね。
 さて、価格面がネックでSIMフリースマホのハイスペック寄りの機種の登場というのは、ほぼ考えられないということになります。いま人気があるとされるハイスペックよりの格安スマホは、正直言ってゲーム用ですね。これを普段使いのスマホで使うユーザはごく少数だと思います。外観がチープなので、なかなか人前では使えないのが実際ですね。筆者は、ZenFone2 Laserを実際に使っていますが、スペックはいいですが総合的にみると、ボディーの仕上がりとか品質が低いです。それに、さまざまテストをして追い込みをかけてないと思います。まったく、緩いです。使えても学生までで、社会人でこれはないと思います。
 つまり、スマホを普段使いしているユーザの多くは、キャリアでのスマホを所有しているユーザであって、格安スマホとは無縁なわけです。2年縛り後に格安SIMに乗り換えようかを検討しているケースが大多数ですね。その時期が、2015年なのか2016年なのかは、詳しくはわかりませんが格安SIMへの乗り換えが本格化するのは、これからだとも言えるかもしれません。そういったユーザの受け皿的存在に海外勢の格安スマホがなるのは無理な話ですし、依然SIMフリースマホの供給不足は大多数のユーザにとっては問題として意識されているところだと思います。